私は大学卒業後、東京の信用金庫に勤めていました。日々の業務には不満はなかったものの、どこかでもっと自分を活かせることができないかと感じてもいました。そんな時、求人誌で香港の求人特集を目にし、大学で中国近現代史を専攻していたこともあり、香港にある日系包装資材会社に転職することを決意したのです。
初めての海外での仕事は、苦労の連続でした。中国語も英語も満足にできない私は、コミュニケーションに時間がかかり、スムーズに仕事が運ばないこともしばしばでした。それでも香港の活気あふれる街の雰囲気、人々の心の温かさはそんな苦労を忘れさせてくれるほどのものでした。私は少しずつではありますが、確実に香港に魅了され、この国での仕事に熱中していくようになったのです。
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